初仕事【直江 司】

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しかし直江さんは抜かなかった。 むしろ強く押しこんで奥を目指す。 痛い。 めちゃくちゃ痛い。 繋がった部分が焼けそうなほど熱く、頭の中が真っ赤に染まる。 「痛ッ、痛いッ…!」 直江さんは笑みを崩さない。 こんな俺を見て笑うとか怖すぎだろ。 この人やばい。 さっきまでとは別人じゃん。 これが本性か。 怖すぎ。無理。抵抗したら殺されるかも…。 ずちゅっぐちゅっぶちゅっ――。 下品な音が響き渡り、粘液の絡まりも強くなる。 はぁはぁ聞こえる息遣いが激しく、直江さんが激しく興奮して感じてることが分かる。 俺は痛いばかりだった。 だけどここで抵抗したら、さらに痛めつけられるかもしれないから必死に耐えた。 あぁ神様。 いる可能性は低いけど、もしいたら聞いてほしい。 どうか俺のことを今よりマシな場所へ導いて。 近いうちに幸せにしてほしい。 役者としての成功は諦めてもいいから、どうか、どうか、こんな風に痛い思いはもうしないで済むようにしてほしい。 誰か一人の人に愛されたい。 優しくされたい。 女じゃなくてもいいから。 男でもいいから、俺のこの体を見ても驚かず気持ち悪がらず、優しく受け止めて大事に愛してくれる人と出会いたい。 どうかどうかお願いします。 良い子にするから。 どうか……。 「あッ…!きもちいいよ遠野君っ…最高っ…今から遠野君に中出しするから感じてね。  無駄打ちになる精子だけど、ちゃんと中で受け止めろよっ…!」 軽く頬を叩かれて、目を合わされた。 血走った目はヤクザの芝居をした時に見たのと同じだ。 だけどそれよりも怖くて生々しい。 あぁこれがこの人の本性なんだ。 普段人前で見せているミステリアスな姿は演技で、こっちが本性。 俺だけが知ってる直江司の本性。 全然嬉しくねぇや、ちくしょう……。 「っ、あぁっ…!」 直江さんが奥で果てた。 ビクビク震えながら流れこんでくる熱い液体。 気持ち悪い…。 だけど大人しく受け止めるしかないから、下で横になっていた。 溢れ出しそうなほどたくさん出された。 引き抜いたとき、狭い穴から白濁液が少しこぼれた。
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