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初仕事【直江 司】
「俺、遠野君みたいな子すごく好きだよ。さすが社長。ちゃんとわかってる」
「そうですか…。よかったです…」
直江さんの部屋はめちゃくちゃ広かった。
俺の住むボロアパートとはわけが違う。
一流役者らしく、都内一等地の豪華タワマン上階住みだった。
予定通り俺は石黒さんに連れられ、直江さんの部屋まで来た。
厳しいセキリュティをくぐり抜け、直江司の待つ部屋へ。
なぜノンケの俺がイケメン役者の元へ行かなければならないんだ…。
壊れそうな心臓を抑え、ドアを開けた先にいたのはイイ香り漂うイケメン役者様だった。
「シャワー浴びる? それとも何か飲んでリラックスする?」
「あ、シャワー浴びます…」
「気が早いね。いいよ、別にすぐセックスしなくても。
いきなりハードル高いでしょ。遠野君なら普通に話するだけでも大丈夫だから」
爽やか笑顔を見せるが、俺はひきつるばかりだった。
普通に話するだけでもいいって…でもあなたゲイなんですよね…?
色んな媒体で女性を虜にするくせに、男にしか興味ないんですよね…?
社長の命令を無視することはできないので、ホテルみたいなバスルームへ消えた。
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