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「本当バカだね、なっちゃんは…。」
『でも……。だってさ』
「だってじゃないの。直くんに、なっちゃんの面影を見ていたって…考えられない?」
『えっ?』
思わず、華澄の方を向く。
「なっちゃん、前!ちゃんと前向いて。」
『はい。ゴメンなさい。』
慌てて前を向き、ハンドルを握り直す。
「なっちゃんも、きっとこんな赤ちゃんだったんだろうなぁ?こんな風に笑ってたんだろうなぁ?直くんみたいに、すっごく可愛いかったんだろうなぁ?…って。」
『華澄…。』
「はぁ…わたし痛いよね、かなり。(笑)どんだけなっちゃんに惚れてるんだって話しじゃん。赤ちゃんの頃とか…。(汗)」
今度は華澄が、恥ずかしそうに顔を両手でパタパタしている。
わたしは、黙って華澄の右手を握り指を絡めた。
そして、
『今日は抱くからね。』
「えっ?」
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