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「あー、本当可愛い!もう、食べちゃいたいくらい♪ほっぺスリスリしちゃおう。」
『……。』
華澄との結婚式から数ヶ月後。
正月、1月2日。
わたし達二人は、昨日から小泉家を訪れている。
大晦日に華澄の実家に泊まり、昨日の午後にこちらへ。
今、華澄の腕の中には、1歳になったばかりの甥っ子、直くんが。
その両脇には母と姉が座り、直くんを見守っている。
「夏美も抱っこすれば?今なら直もご機嫌だし…。」
『いや、いいよ。』
「なっちゃん、本当可愛いよ。ほら、直くんも、おばちゃんを待ってますよー♪」
『だからおばちゃんはダメ。なっちゃんて、呼ばせるから。もう…。』
「直は華澄ちゃん大好きねー。全然離れないもの…。」
「そうですかね?わたしも直くん大好きー♪連れて帰りたいくらい。」
「夏美は、まあまあ子供には好かれる方なのに。直だけはイマイチね、何でだか…。」
と、母。
そうなのだ。
直くんは、わたしがおいでと両手を広げても、プイッと横を向いてしまい、手を出すことすらしてくれないのだ。(泣)
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