思いついた番号

1/5
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 人生というヤツは、どこでどう変化(ころ)ぶか、分からないモノで……  オレは、関東大学三年生の時に、アメリカのニューヨーク州立校への、特待留学生の1人に選ばれてしまった。  多分それは期末テストを頑張ったからだろう。  ただそれだけだった。  だから両親は喜んだが、オレは半信半疑で渡米した。  それから一年……  だからオレは、まったく友達は出来ず、学校や勉強も馴染めなかった。  そうなれば、お決まりの転落コースだ。  が、面白いことに英語だけは、普通のアメリカ人程度の会話は出来るようになっていった。  それから数年……  オレは、学校の寮を飛び出してスラム街に身を置き、ヤバイ遊びに走ってしまった。  そんな流れで、ひょんな事情から裏社会のヤツとも知り合いになってしまった。  生命(いのち)を何度も落としそうになりながら、オレはアメリカ中を逃げ回り……  オレは、やっとのことで貨物船に潜り込み、なんとか日本に逃げ帰ってきた。  日本は、新元号が令和に替わった頃だった。  こんな状況だから、親にも顔見せできず……ネットカフェという便利な所を〝自宅〞にしながら、バイトに明け暮れていた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!