思いついた番号

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 こんな状態じゃ、どうにもならないと……仕方なく、ヒマそうなコンビニに入って、モデルガンで1万ほど(うば)おうと思った。  が、入ろうとしたコンビニの店員が、意外とマッチョ系だったので……弱気になり、やめた。  頭を抱えながら、ぶらぶら歩いていて、ふと見ると(なつ)かしい母校が見えた。  そのままオレは、大学に入ると事務局に向かった。  オレを見ると、当然、局長も職員も驚いた様子だった。  そしてオレが事情を話すと、局長は、 「あなたのことは除籍扱いになってます。ですから、こちらに相談されても困るんですよ……」  オレは溜め息をつき、諦めて、 「そうですか……分かりました……」  仕方なく校門を出て、行こうとした。  すると、さっきの局長が追ってきて、 「これは少ないですが……」  と三万円をオレに渡し、 「お見かけしたところ、お元気そうなので……これからは、ご自分の人生を歩んでください。 とにかく当校とあなたとは、今後、一切関係は無いということで……宜しくお願いします!」 「はい分かりました。どうも……」  何度も会釈しながら、局長は戻って行った。  オレは、とりあえず例のネットカフェに戻るしかなかった。
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