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High Way To Hell
街路灯の傍に女性が佇んで私たちの車を見ている。
何かがおかしい、彼女の姿は違和感がある。
そう…まるでホログラムの様で生きている人間とは思えない。
以前どこかで彼女を見た様な…
「アメリカンビューティ!」
チェイスとリアムが同時に叫んだ。
Day before yesterday……
図書館から私が後をつけた彼女だ。
私にその記憶はないけど。
私が路地裏で意識が戻って接触したのは
中学生くらいの少女に姿を変えた彼女。
街路灯からこっちを見ている大人の姿は
リアムが見せてくれた
図書館から繁華街までの防犯カメラ映像でしか見てないから
私の記憶があいまいだったんだ。
車が彼女の正面に差し掛かった瞬間
彼女を不気味な色の靄が覆い全身の輪郭がボヤけた。
不敵な笑みを浮かべた口元だけがハッキリ見て取れた。
あれは人じゃない
防犯カメラの録画映像で彼女を見て
そう言ったチェイスとリアムの言葉が頭の中でこだました。
映像を一時停止した様に世界が止まった。
意識はあるのに全く身体が動かせない。
操られているのか彼女から目を逸らせない上
心拍数が上がって息が苦しい。
チェイスとリアムの様子が気になるけど
身体の自由が効かなくて振り返ることが出来ない。
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