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アイスティーを置きながら
レイチェルが話を再開した。
「あなた達の家から真っ直ぐ帰宅したけど
寝付けなくて飲みに出たの。
ほろ酔いでBARを後にして
タクシーを拾って帰ろうと歩いてたら
全身タトゥーだらけでタチの悪そうな
酔っ払いの男2人に絡まれてる
若い子がいた。
それがアレックスだったわけよ。
威勢よく逆らって力いっぱい抵抗してたわ
男か女かすぐにはわからなかったのよね」
チェイスがクスッと笑いながら
「お仲間だな」
「そうね、お仲間よね。
羽交い絞めにした途端、男が
胸の膨らみに気づいたらしく
目の色が変わってニヤニヤし始めた。
口を塞いで狭い路地裏に引き込んだわ。
夜中に独りでウロついてる女が悪いのよ。
レイプされて殺されても自業自得。
飲みになんて出るんじゃなかった…って
後悔しながらストールで顔を覆って目だけ出して
レイプ現場へ。
タトゥーコンビにはおネンネしてもらったわ」
まさか?!
私の顔色を見たレイチェルは
「殺すわけないでしょ。
あー、でも…
上腕骨はバキッとやったかな。
40S&Wや
Switchbladeを出してきたからね」
チェイスは苦笑いしながら
「人間の急所を知り尽くしてるレイチェルの格闘術は…
マジでヤバい」
「本気出したらヤバいのはチェイスもでしょ。
とにかく私はアレックスを連れて
あの場から離れ、タクシーを捕まえて彼女の家まで
送り届けようと住所を聞いたら
帰る場所がないから家に泊めてくれと言われたわ
ワケありのややこしい娘だって予感がしたけど
タクシーから放り出すわけにもいかないでしょ。
カウチで寝る事を条件に泊めることにした。
色々、事情を聞きたかったけど夜中だし
朝、目覚めてから聞こうと思って
私は寝室に鍵をかけてさっさと寝たわ」
チェイスとリアムの後ろにスッと現れたアレックス。
「身体も心も温めてくれるかと
期待したのに冷たいよねレイチェルって」
彼女はアイスティーに口をつけたチェイスとリアムの肩に
手をまわして
「2人はタイプが違うけど、メチャいい男じゃん。
ね、遊びでいいから抱いてくれない?」
2人はアイスティーをブッと噴いて
ゲホゲホむせた。
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