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「面白そうだから二つ返事でスカウトを受けた。
連れて行かれた先は…」
アンジーは下唇を突き出すと
フーッと前髪に向かって勢い良く息を吹きかけ髪がなびいた。
ふて腐れた時の仕草は私と同じだ。
私たちは前のめりでアンジーの次の言葉を待った。
「連れていかれたところはBootCampと学校が合併したような…
養成所かしらね。授業では人や亡者との関わり方、厄介な怨霊への対処
天界のルール、色々叩き込まれた。
BootCampはあまりのキツさにDropoutする魂も
少なくなかった。
耐え抜いた者だけが、怨霊や悪魔との戦いに備えて
実践訓練が受けられる。
生きた人間が飛ばす妬み嫉み呪いのコードカットを
剣でぶった斬ったり出来たわ。
実際に中ボスレベルの悪魔相手に
POWERS直々に指導が受けられた。
机の上で勉強するより断然楽しかったよ。」
POWERSって何?
戦う天使ってミカエルのイメージだったけど…
「POWERS… お子様向け戦隊ヒーローかよ。
人間界のア〇ンジャーズの方が響きとしてはイケてるぞ。
そこのセンスは勝ったな」
言うことがチェイスらしい。
リアムもレイチェルもプッと吹いた。
アンジーが少しムッとした顔をして
「知らなくてもいい事なんだろうけど…
戦隊ヒーロー名と同じにされちゃたまんないわ。
POWERSってのは中級第三位。
最前線で悪魔と戦う天使よ。」
「指導を受けたPOWERSを数人テレパシーで見せてあげる。
イカつくて屈強な戦士の2人ね」
脳内にイメージがパンッと入って来た。
こ…怖い!怖すぎる!
悪魔側にいても馴染むんじゃないだろうか…
チェイスとレイチェルは大ウケ。
「美形のPOWERSもいるわよ、ホリーはこちらが好きよね。ほらっ」
私が教わるならこちらのPOWERSにお願いしたい。
「彼らはアンタたち人間の間で
Archangelsとして有名なミカエルたちより
階級は上なのよ。まぁミカエルもPOWERSと一緒に戦いに
参戦するけどね。下級天使は3つのカテゴリーがあって……あ、ヤバッ!
喋り過ぎたかな」
アンジーは左手に装着したアップルウォッチみたいなのを
確かめた。
私たちの視線に気づいたアンジーは
「ああ、これね。
あまり天界のことをバラしすぎない様
監視センターで見張られてるの。
黄色いランプが付くと気を付けなさいってこと。
赤いランプがつくと警告音が鳴るわ、黙りなさいってことね。
ランプはついてないから、大丈夫ね」
てっ… 天界に監視センター?
宇宙センターみたいなのがイメージで浮かんでしまった。
ディスプレイを見ている人たちの背中に羽根が生えてる感じだろうか。
「下級は3クラスに分かれていてね。
下級TOPに位置するのが、国家、文化、歴史の運命を司る
Principalities
次が人間界でポピュラーなArchangels
ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエルたち。
そして一番下にいるのが天使。
私たちは更にその下よ。」
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