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「そう言えば…」
アンジーは何かを思い出したらしく、苦笑いしながら
「天界を抜け出して、ホリーの背中を押したことがある。
上からホリーの事は時々見る事が出来たけど、勝手に
人間界に降りることは許可されていなかった。
幼稚園の時、日本に帰るお友達に絵を描いた手紙を渡そうとしてたでしょ。
モジモジグズグズしてるホリーを見て、イラッとして…つい…。
死んだときの年齢と姿には簡単に戻れたから、その姿で
ホリーを強引にお友達の所へ引っ張って行ってすぐに天界へ戻ったけど。
向こうで大目玉くらったわ」
日本人のお友達、メイの所へ連れて行ってくれた途端
姿が消えた女の子の事はよく覚えてる。
懐かしい目元も印象的で……思い出す度
胸が締め付けられる様な切なさを感じた不思議な女の子。
やっぱりアンジーだった。
天界の存在となったアンジーは20代くらいの
大人の女性の姿で現れているけど、私には成長したアンジーにしか見えない。
見たいように見えるのかも知れないけど。
「図書館でホリーに憑依したよな?!図書館の防犯カメラに一瞬映った
光はアンジー、お前だろ」
「You got it!」
眉間にしわを寄せてアンジーを見つめるチェイス。
「ノリが悪いのね。はいはい、ちゃんと説明するってば
ごめんね、ホリー… あの時は予想外の事態で躊躇してる暇はなかった」
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