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そう言われてチェイスはしばらく
じーっとリアムの目を見つめた後
「お前… 俺に対して今言ったこと、自分にも言い聞かせてるだろ。
焦りの色が目に出てる。他の奴には見抜けねぇだろうが…
動揺してんのが俺にはバレバレだぞ」
「ああ、認めるよ。
インサイドヘッド風に言うと俯瞰した視点の自分が
必死で主観的な自分を抑えてる、そんなところだ。
この動揺は初めてホリーに包丁を持たせた時の比じゃない」
肩をすくめたレイチェルが
「あのねぇ、父親の前で娘が天使に身体を共有させてもらいたいなんて
判断迫られて引き受ける状況…… 普通はあり得ないんだから。
さすがのあなたたち2人も動揺するのは当然よ。
立場の違う私でさえ、心拍が上がったわ」
…私の決断がみんなを動揺させている。
みんなを納得させられるだけの理由もない。
でも、マッケンジー巡査部長に憧れて女性警官になれるかな
なんて口にした時の軽さとは違う。
ああ…でも、そんな事言ったら
どう違うのか具体的に説明しろってチェイスとリアムに言われちゃう?
よくわからないけど、きっとうまくやれる!
根拠のない自信が恐れを上回ってる。
素直にそう言ったら
ハァァァッ?! ってチェイスは肩眉を吊り上げて怒る…かな。
ドカッとソファに腰を下ろしたチェイスは深呼吸して
「ホリーを選んだ理由を話せ。
格闘なんてやったことないホリーより俺やレイチェルに憑依した方が
各段に格闘レベルは上がるぞ」
「男に憑依なんて嫌よ……ってのは冗談だけど。
私とホリーはね、この世では姉妹だったけど
実は魂も姉妹の様なものでね、私たちツインレイなの」
えっ? わからない。
ツインレイってツインソウルとは違うのかな……
私の表情を見て理解していない事がリアムにはすぐわかったみたい。
「ツインレイって異性同士だと思っていたが…違うケースもあるのか。
ホリー、ツインソウルってのは同じ魂のグループ出身で
チームメイトみたいなもんだと思う。ツインレイは一つの魂が
二つに分かれたもので唯一無二の存在と言われてる」
「私とアンジーは元は一つの魂だったの?!」
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