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しばらくしてチェイスが声をかけてきた。
「ホリーの意識はあるんだな?」
私の中でスッとアンジーが私の背後にまわった。
私が表なんだ。
私の身体をコントロール出来てるいつも自分の感覚だ。
「大丈夫、アンジーが私の中にいるのは感じるけど
違和感は全くなくて…いつもの私だよ」
「わかった。アンジー!
ホリーと交替して表に出て来い」
私の中でアンジーが私の前に立った。
私の意識はちゃんとあるけれど身体は動かせないし声も出せない。
チェイスは私の姿を鋭い目つきでしばらく観察した後
「ホリーかアンジーかを見分けることは難しくなさそうだ。
ぽや~んとした感じが消えて、いささかクソ生意気な雰囲気で
目力が違う。後は…そうだな。
アンジーが表に出るとホリーのオーラが変化する。
ゴールドの部分の眩しさが強烈さを増す。
お前はどうだ?リアム」
「ホリーの演技をされてもオーラは誤魔化せないだろうから
見分けられそうだ」
「レイチェル、お前は?」
「オーラはちょっとわからないけど、放つ雰囲気が別物ね。
そこはわかる。ホリーを真似て演技されたら私は見分けられないかもね」
つかつかとチェイスが私の目の前に来て
「アンジーお前、ホリーの中だと人と同じように
感覚はあるんだな?」
「ホリーを通じて伝わってくるよ、どうして?」
「……アンジー、母親のリアはお前を抱きしめる事はあったか?」
「ないない!子供なんかうっとうしいお荷物としか思ってなかっ…」
アンジーが最後まで言い終わらないうちにチェイスがギュッと
私を…いや正確には私とアンジーを抱きしめた。
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