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リアははっきりと人の形を保っていられないのか
身体の輪郭がすぐに崩れてしまった。
ボヤけている箇所がほとんどで顔だって口も鼻もない…。
ただ執念や執着の色を帯びた目だけがハッキリしている。
その目がギョロッと私に向けられ背筋がゾクッとした。
口は形を成していないのにリアの弱々しい声が響いた。
「ホリー、愛しているの…あなたのそばに付いていたかった」
バサッと翼を広げたと思ったら、あっと言う間に
アンジーは私の傍に降り立った。
汚いものを見る様な目でリアを見下ろすと
「下手な芝居はやめな、見苦しい。
お前はホリーが幸せな環境にいることを妬んで
自己否定を植え付ける言葉をずっと内側から囁いて来た。
イケメン2人の前ではホリーのネガティヴな感情の扉に
隠れて気配を消して…ね。死しても尚、小賢しい女。
相応しい場所へ堕ちな!」
アンジーが手の平をかざすと
「アンジー! ママにそんな事出来ないわよね?!」
「笑わせるわ、誰がママだって?
あんたは下半身がだらしない雌豚 ※※※…」
チェイスが私の耳を塞いだ。
アンジーは過激な言葉を連発したんだ、それはわかる。
私の耳からチェイスが手を離したその時
リアが目を剥いて地の底から響いてくるような恐ろしい雄叫びをあげた。
パンッパンッ!とラップ音がリビングに響き
花瓶や小さなオブジェが私の顔をめがけて飛んで来た……
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