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Whole lotta luv from another place (異世界から溢れる愛を込めて)
アンジーはチェイス、リアム、レイチェルの3人を見回しながら
「誰から始めようかなぁ」
チェイスは呆れて
「その軽いノリ…メッセージを受け取る側からすりゃ
微塵も重みを感じねぇ」
「3人へのメッセージはそれぞれの痛みから解き放たれて欲しい
そういう願いが込められてる。重くなくていいの。
Okay、最初はリアムへのメッセージから始めよう」
「俺にメッセージって… 一体誰から…」
戸惑うリアムにアンジーが微笑むと
「生前の名前はチャールズ・スチュワート・ガードナー」
リアムが息を飲んだ。
「俺が10歳の時にこの世を去った……グランパ」
「託られた通りに伝えるわよ。
『我が強く了見も狭い息子が辛い思いをさせた。
もう少し長く生きてお前を受け止めてやれる居場所でいたかったが
仕方あるまい。
時に血の繋がった親子でも、どうしても相容れない事もある。
離れる選択は決して悪い事ではない、互いの為にもなるんだ。
幸いお前の両親は夫婦仲は悪くない。死が2人を分かつまで彼らは
うまくやっていくから気にせんでいい。
お前の姉さんも結婚して子を持つ親になった。
上が娘で下が息子だ。
弟のお前に対してやった仕打ちそのままを我が子に見せられて
鏡になり、反省しながら日々彼女なりに頑張っている。
平気なフリをするのが上手いお前だが
家族の前から姿を消した事で時折胸を痛めていただろう
その必要はない。
父親より、はるかにお前の子育ての方が優れている。
誇りに思うよ、自慢の孫だ。
時には離れている彼女の事ももう少し気にかけてやりなさい
お前の負担にならん様、メッセージや電話も我慢している様だ。
アメリカ人女性にしちゃ稀に見る健気さじゃないか。
大事にしなさい』
ガシッとチェイスがリアムの肩に手をまわすと
リアムは深い笑みを浮かべていた。
私はリアムのグランパを知らないけれど、メッセージに泣けてしまう。
きっとグランパは子供の頃のリアムにとって
唯一の理解者で味方だったんだろうな。
「次は… 元特殊部隊のお兄さん。
あなたへのメッセージよ」
「私に?一体どこの誰からかしらね」
「親愛なるLady Guyへ、この始まりの言葉でピンと来るわよね?」
レイチェルの顔色が変わった。
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