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一瞬、とても切ない表情をしたレイチェルは
すぐ顔を上げ背筋を伸ばしアンジーを真っ直ぐ見た。
アンジーを通してCooper小隊長を見つめている事になるのだろう。
『過去に囚われていた魂の一部は取り戻したか?』
「Yes Sir!」
かすれていたレイチェルの声は張りのある通る声に変わっていて
ビシッと敬礼するその姿はとても凛々しく美しくて見ていて涙が出てきた。
「英霊だから今回は特別ですって、天界からサプライズがあるわ」
アンジーの声に戻っている。もう繋がっていない様だ。
レイチェルの背後から光の扉が現れた。
扉から3人の男性たちが眩しい光に包まれて姿を現した。
わかる、レイチェルと任務についた隊員さんたちだ。
戦闘服に身を包んだ兵士の姿じゃない。
みんなTシャツやランニング、下はジーンズと言うラフな服装だった。
前方のアンジーの傍には眩しい光があった。
一人ずつ背後からレイチェルの肩をポンッと叩いて歩き出し
レイチェルを振り返ると、ニッコリ笑って親指を立て
光の中に消えて行く。
敬礼の姿勢を崩さないレイチェルの頬には涙が伝っていた。
最後の一人は小隊長さんだ。
雰囲気でわかる。威厳がある…けど、お優しそう。
後ろからフワッとレイチェルを抱きしめるとすぐに
颯爽と光へ向かい、吸い込まれた。
あっと言う間に光はしぼんで消滅してしまった。
想像を絶する最期だったろう……
だけど、彼らは痛みや悲しみ苦しみから解放されて輝いていた。
一点の曇りも感じられない眩しく神々しい笑顔だった。
レイチェルの両側からチェイスとリアムがそっと肩を組むと
フッと笑みを浮かべたレイチェルが
「Lady Guyはね、Navyにいた頃
女みたいなのにたいした奴って賞賛を込めて付けられた私のニックネームよ。
気に入ってた」
映画のタイトルになりそうなCoolなニックネームだ。
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