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結界…… 土地に魔除けのサークルを描いて
その上に家を建てたんだろうか?
ペンタグラムはドラマや映画で主人公がタトゥーに入れているのを
見ることがあるけど。
「俺もリアムもこの家に魔除けは施してないぞ」
「知ってる。
この家を護っているのは
アイザックから譲り受けたfragrant oliveに宿る自然霊よ。
おいで!」
アンジーが窓の外に向かって声をかけると数センチだけ窓が開いた。
ものすごい速さで光の筋が入って来てアンジーの後ろにシュッと隠れた。
「この子、すごくshyなの。だけどほんとによく働いているわ。
祓いの力はたいしたものよ。
ほら、存在を知ってもらういい機会じゃない」
アンジーに促され、ひょいと姿を見せた自然霊は
4~5歳くらいの男の子で私と目が合うとニカッと微笑んだ。
かっ、可愛い!!
ギュッて抱っこしたい!
お顔がいたずら書きされたみたいに汚れてるけど…
「どうしたのよ…その顔」
アンジーにそう聞かれて、自然霊の男の子は
じっとアンジーを見つめた。
テレパシーで会話してるのかな。
「ああ、他の精霊と遊んでたのか。
さっきホリーに可愛いって思われたのは嬉しいけど
ボクの方がずっと年上だって言ってるわ。
日本の神社にある樹齢1200年のご神木の一部なんだって。
切り取られた枝から成長した挿し木だそうよ」
「昔の日本人の姿じゃないのか?」
自然霊はチェイスに笑いかけるとチラッとアンジーを見た。
アンジーは笑いながら
「アメリカナイズされてるってさ。
魔を祓う日本刀は持ってるけど見せてあげないって言ってる」
「あー、そうかよ、いかにもガキの言いそうなことだ…
アンジーを介さなきゃ話せないのか?」
数秒後、澄み通った子供の声が頭の中に入って来た。
「話せるよ、聞こえる?」
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