閉ざされていた過去

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レイチェルがにっこり  「じゃ、一緒に寝ようか?」 私が頷いた途端  「絶対それは許さねぇ!」 チェイスの声が響いた。 び…びっくりした。  「お前も受け入れて頷くんじゃない。」 リアムに軽くこづかれた。 チェイスがため息をつきながら  「思い出すぜ…。 ホリーが6歳の時に一人で過ごせない病が しばらく続いたのを。 夜中に俺とリアムがリビングで 日本のホラー映画、リ〇グを観てた時。 なんか気配を感じて振り返ると テディベアを抱えたままホリーが 顔面蒼白で目に涙を浮かべて震えてた。」 リアムがプッと吹きだして  「ああ、あの時な…。 ホリーが幼いうちは寝かせてから ホラーや残虐シーンのある配信映画を 見るようにしてたんだよな。 リ〇グはまずかった…。 あんな恐怖の描写はアメリカ映画にはないからな。 アメリカ人には衝撃的な作品だ。 俺でも怖かった。 ホリーが夜中に目が覚めて リビングに顔を出して見ちまったあの後から しばらく一人でいられなくなった。 何処に行くにもホリーが金魚のフン状態で えらい目に遭ったな。 16歳になって、またそうなるのか?」 レイチェルはお腹を抱えて爆笑。 今の私はチェイスとリアムと一緒に WA〇KING DEADやS〇PER NATURALを 一緒に見られるくらいにはなってる。 でも、今晩はちょっと… 一人で寝るのは無理だ。 そうだ!  「リビングでみんなで一緒に寝たい。」  「楽しそうね。 ホリーをソファで寝かせて 私たちが寝袋で下で眠ればいいじゃない。 寝袋くらいあるでしょ?」 チェイスとリアムが躊躇したのを レイチェルは見逃さなかった。  「どうしたのよ?」 言い出しにくそうにしていたチェイスが 口を開いた。  「俺は家の中で裸族ってわけじゃない。 でも寝る時だけは一糸纏わぬスッポンポンなんだよ! ストレスフリーで快眠が得られるって聞いて 何年か前に試して以来 気に入ってそのスタイルだ。」 リアムが小さな声で  「俺もだ…。」  「まっ!」 レイチェルが嬉しそうだ…。 裸で寝るとストレスフリーで 快眠できるんだ? 今度、やってみようかな…。  「仕方ない。今晩はこのユ〇クロの家着で寝る。 明日、俺とリアムは仕事で早いんだ。 寝ようぜ。」 リビングでみんなと寝る事になった。 怖い気持ちは吹っ飛んで、すごく楽しい。 ルナも私が寝ているソファにやって来て 肩のそばで一緒に寝てくれた。 その夜、アン・ハ〇ウェイ顔の天使が 夢に出た。 他にもリアリティがあって… うまく言えないけど 記憶の断片が混じっている様な夢をみた。
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