私は緘黙(かんもく)そしてお父さんが2人、お姉ちゃんは天使

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 児童養護施設で2歳から5歳まで過ごした私は 22歳の若き起業家チェイス=スペンサーの養女として 引き取られ、現在はチェイスの社長としての業務も 裏の仕事も引き継いでいる。 いや…… 裏だけど本業といっていいかも。 Assassin(アサシン)とかそんなんじゃない。 ああ、でも… 似て……ううん、似て非なること。 相棒と数人の仲間がいる。 何をやっているのかとか 相棒や仲間のことは こうやって話しているうちに 明らかになってくる。  幼少時から私は変な所があって… 霊が視えて話せたり(映画やドラマにあるような恐ろしいものとは 遭遇していない。本当に普通の人に見える。 若干、生きている人より色が薄いけど) あとは動物と会話が出来た。 幼い私はそれが変だとわかっていなかったんだけど。 そしてもう一つ、私が持っていたのは 場面緘黙(ばめんかんもく)だった。 選択性緘黙(せんたくせいかんもく)って言い方もする。 今もあるけど、うまく自分で対処して出さずに 業務をこなせてる。 緘黙(かんもく)なんてそんなの 知らないって人の方が多いよね。 これは特定の場面で話せない症状。 人と関わることの緊張がかなり強いの。 よく知らない人とは話せない。 もちろん外でも話せない。 会話が出来ないわけじゃなく 心許せる慣れ親しんだ特定の人たちとは 普通に話すことができる。 だから、話せないわけないだろう 意図的に話さないだけ わざとやっているに決まっていると 理解されない事も多い。 面倒くさいもののオンパレードだった私を 愛してくれたチェイス、そしてもう一人。 同居人だったチェイスの相棒リアム。 彼らが両側から私を支え守り育ててくれたから 今の私がある。 私とってチェイスとリアムは Two Dads(お父さんたち)。  こうやって、人前で話すことなく エア観客?エア読者? とにかく、そういうのを想定しながら 話すのは見られている緊張やプレッシャーがないから 緘黙(かんもく)を持っている私には心地いい。 地球に存在している人たちの魂は 色んな世界の出身者が多いっていうことを 伝えたい。 そして 血の繋がりはなくても 私にとっては最高の父親だった チェイスとリアムのことを伝えたい。 「美少女とゴリラとの遭遇」 これが今につながる扉の鍵だった。  
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