Whole lotta luv from another place (異世界から溢れる愛を込めて)

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 いつだって余裕があって、冷静で決して動じる事はない そんなレイチェルが唇を噛みしめ、一点を見つめたまま 微動だにしなかった。 その様子を見ていたアンジーが フゥ…ッと小さく息を吐くと  「少しの間だけ、向こうとこちらを 私が中継地点として繋ぐわ。 ダイレクトに話せるから。 元特殊部隊のお兄さんにはその方がいい」 アンジーがそう言った途端、無表情になった。 姿はアンジーなのに、中にアンジーがいない…そんな感じ。 アンジーの口が開いた。 出て来た声は男性ものだった。  『今日、この日を持って任務完了してもらう。 あの場所であの時間に囚われたままのお前の魂の一部を 解き放ち回収する事、それが任務だ』 厳しい口調なのに、とても穏やかで温かみのある男性の声だった。 恐らく若い男性の声…だと思う レイチェルを慰撫(いぶ)する様な柔らかな優しさを感じた。 それを察知出来たのは、チェイスとリアムが私に対する言葉の端々に 父親や兄の様な慰撫(いぶ)が含まれていて…私は 身をもってその温かさを知っているからだ。 小刻みに震えながらも、真っ直ぐアンジーを見据え ビシッと直立不動の姿勢になった、レイチェルはかすれた声で  「…Cooper(クーパー)小隊長」  『あの日以来、どうして自分だけが生きているのか そんな罪悪感で悪夢にうなされ続ける事になってしまった事 最年少だったお前にそんな十字架を背負わせてしまった事 すまないと思っている。 わかって欲しい。あれが最善の選択だった。 機密情報を入手し、チーム内で最速の俊敏さを持つLady Guy、 お前に託したことで任務を遂行出来たんだ。 お前を援護して命を落としたチームの仲間も俺も悔いはない。 みんなそれぞれあの世で好きな事をして楽しく過ごしているよ。 その俺たちの笑顔に影を落とす事がただ一つ。 罪悪感に苛まれ続けているLady Guyに心配をかけさせられていること』 レイチェルの頬に一筋の涙が伝い落ちた。 みぞおちのあたりを服の上からギュッと握りしめていた。  『お前がずっと身に付けてくれているそれ… William(ウィリアム)=Cooper(クーパー) 生前の俺の名前が刻印されたDog tag(識別票)はもう 必要ないんじゃないか?Dog tagなんか外せ。 デートに誘って指輪でもプレゼントするべき女性が傍にいるだろう。 薄々自覚していると思うが、こればかりはあの世から見守るしかないな。 正直、お前が戦闘の世界から身を引いたことを こっちでは喜んでるよ。望む並行現実を自ら手に入れるんだ。 昔、俺がお前に言った事は的外れじゃなかったろう? そろそろ時間の様だ』 d292296a-9096-42f6-981b-0715196c65a9 bea2a926-7fac-4562-8ca8-da553cc3879b
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