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・・・・・・
ばばばばばばばば!!!!!
気づいたら、私は救助ヘリから命綱にぶら下がったレンジャーの懐に抱かれていた。
間一髪だった。
私がしがみついていた『ママ』・・・ユーカリの大木は今、真っ赤な炎に包まれていた。
≪さようなら・・・さようなら・・・バートや元気でね・・・≫
ユーカリの大木が私に、断末魔の声のように呼び掛けているように見えた。
私はゆっくりと目を閉じた。
この燃え盛る火の海と化したユーカリの森で、暮らしてきたコアラ仲間達や動物達との日々・・・
時には、辛い時があったけどそれなりに楽しかった日々・・・
もう、戻らぬ楽しかった日々・・・
この炎の中へ消えていった仲間達との楽しい日々・・・
感極まって、涙が止まらない・・・
さようなら・・・みんな・・・
ありがとう・・・みんな・・・
ばばばばばばばば・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
私は幸いにも軽い火傷だけで済んだ。
保護センターには私と同じこの火災に逢い、辛うじてレンジャーに助けられた動物達が過ごしてた。
カンガルーやワラビー、ウォンバット・・・そして私と同じコアラも。
皆、しくしくと泣いていた。
私と同じように、仲間達がこの火事の犠牲になったのだろうね・・・
何でこんなことに・・・
私達が何をしたの?
私は叫びたい。今、この信じたくない惨劇の引き金を引いた何者かに向かって・・・!!
~炎からの叫び~
~fin~
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