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≪逃げなさい、バート・・・もうここはやがて炎に包まれる・・・≫
やだ!!私はこの木と一緒に入る!!
私が掴まっているこの大きなユーカリの木は、産まれてからずっと私を面倒して貰った私のママ・・・本当は私は孤児だったけど・・・向こう隣の木からやって来て私を世話した・・・本当に『ママ』だった・・・
今はその『ママ』はもう居ないけど、この木が・・・私にはこの木が『ママ』だったのに・・・
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
≪バート!何してるの!?もう炎はすぐ側に来てるのよ!!≫
やだわ!!私はこの木と居るわ!!
≪何時までも分からず屋ね!!バート!!この炎に焼かれて、貴方の仲間の様に焼け死にたいの?!≫
私は、仲間なんかどうでも良いの。
だって、ずーっと私は他のコアラ仲間に執拗にいじめられてたもん。
・・・・・・
・・・・・・
「なあ、おめえ・・・この木に『恋』してんだろ?」
「こんなにマブイのに、俺らにゃシカトかよ?!」
雄のコアラ仲間は、この『ママ』なる木にすがる私をいいことに執拗に殴って蹴って、私からこの『木』から引き剥がそうとしたりして、いたぶって来たわ。
でも私はずっと耐えたわ。
『ママ』はずっと私に言い聞かせてきたわ。
「辛い時は我慢よ。じっと黙って堪えて我慢するのよ。」
と・・・!!
・・・・・・
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