心の声

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「あれでいいからって……。『ここの担当者は頭の回転が遅いから、このプランでも上手くすれば通るだろ』って、先輩が言ったんじゃない! 何もしないくせに文句だけ言って、他人のせいにしてんじゃないわよ! このスットコドッコイ!!」 ──────  ああ~、すっきりした。  ん? なんか、空気が重い……ような? 「きっ、君! な、なにを……!」 「なにを?」  先輩、なに騒いでるんだろ? 顔、真っ赤にして……。 「う、うぅん!」  えっ? 担当者さん、さっきより怒ってる? 「頭の回転が遅くて、すいませんね」 「えっ!? なんで?」 「君が余計な事を言うから!」 「余計な事?」 「ああ、いえ! な、なんでも……」 「……申し訳ありませんが、今回は無かった事にさせていただきます」 「ええっ!?」 「あと、あなたの事は、会社を通じて報告させていただきますので……」 「は、はい……」  うわあ、先輩うなだれちゃって……。かわいそ。 「でも、自業自得か」 「そうですね」 「えっ?」 「──ああ。あなたの心の声。漏れちゃってますよ」 「うそ!?」 「でも、そのおかげで、あなたの上司の人となりを知ることが出来ましたけどね」 「は、はあ……」 「こんな人が上司で、お察ししますよ」 「あ、ありがとうございます」  まさか、心の声が出てしまっていたとは……。  でも、まあ、結果的には良かったのかな? 「私も、身の振り方考えよう」
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