心の声

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心の声

「まったく、君という人は……」  ああ、また始まった……。  おもわず耳を塞ぎたくなる、先輩上司の小言。 「すみません。彼女、まだ仕事に慣れていなくて……」  ああ、それも聞き飽きた。お決まりの謝罪言葉。  それを言えば、たいがい許してもらえると思ってるんだよね。この人……。 「会社に戻り次第、新たなプランを用意させていただきますので」  誰が? 先輩が?  どうせ、また私一人にやらせるつもりなんでしょ? 「はい! 今回は本当にすみませんでした! ほら、お前も頭下げろ!」 「すみませんでした……」  って、誰のせいだと思ってんのよ!  全部私に押し付けて、軽くチェックだけして「まあ、なんとかなるだろ」って言ったの、アンタなんですけど!?  アドバイスするからって一度もしたことないし、何かあれば、こうやって私のせいにして事を収めようとする。  ほんと、サイテーな男!  どんだけ、アンタに振り回されてると思ってんのよ!  あー、なんかだんだん腹立ってきた。  ほんとに、ほんとに、ほんとに……!!
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