第三章 コーコ視点 とりあえず

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そして案の定、私はソファの上で、ぐっすり熟睡できた。 今日は珍しく、午前中から天気が良かった。太陽光を雪が反射した真っ白な光で、私は目を覚ます。 私の部屋を覗くと、お父さんとお母さんはまだ眠っている様子だった。当たり前だ、昨日は色々とバタバタしてしまったから。 ソファで二度寝しようかと思ったけど、外が明るいから眠れない。私の部屋にはカーテンがあるけど、酒場にはカーテンがない。 だから外の光が店に差し込み、外はまるで光に包まれている空間の様。 私はとりあえず、暖炉に薪を入れて火をつけた。今から顔を洗うと手と顔が凍りつきそうだから、しばらく部屋が暖かくなるのを待つ。 グラピスの袋は、まだ少しだけ温もりが残っているけど、外の空気に触れた途端、すぐ冷たくなってしまった。でもソファはまだ暖かい。
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