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「あなた!!
もう体は大丈夫なの?!」
「・・・もしかして、あの家の住民ですか?」
そう言って自分は、飛び出した部屋を指差す。その部屋に、2人の夫婦が口を開けたまま立ち尽くしていた。
今自分の目の前にいる女の子は、多分あの夫婦の娘だ。
自分はその子に、助けてくれたお礼を言おうとしたけど、今更になって寒さがシミシミと体を蝕み始める。
女の子は焦って自分の手を掴み、そのまま家まで自分を連れ戻す。家にあった暖炉で体を温めながら、女の子は自分の足の裏を治療してくれた。
その間、女の子のお母さんが自分に温かい飲み物をくれた。真っ白で温かいその飲み物は、『みるく』という名前らしい。
『みるく』という飲み物はとても甘くて、口の中がとろける様。自分があっという間に飲み干してしまうと、おかわりを作ってくれた。
自分は3人との会話で、冷静に自分がどんな状況なのかがわかり始めた。
まず、自分の記憶の大半が、消えてしまっている事。
でも、自分の名前はちゃんと思い出せた、自分の名は、『ヤマト』だ。
でも、自分が何故船の中に居たのか、どのくらい海を漂流していたのかは、思い出せなかった。
そして、さっき自分と対峙した相手、その正体すらも分からない。
でも、何故かあの『異様な存在』を見た時、心の底から闘士が燃え上がり、自分でも気づかないうちに、奴を仕留めていた。
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