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「・・・・・」
「・・・ねぇ、ヤマト
私も一緒について行ってもいい?」
「「「へ?!!」」」
酒場で男性の話を聞いていた全員が、一斉に驚きの声を発する、自分も思わず立ち上がってしまった。
「ヤマトさん、国の中心地に行った事、一度もないじゃないですか。私は母と
よく行っていましたけど
片道だけでも大変になると思うけど、行き来に慣れている私なら、ヤマト
さんを無事城まで送り届ける事ができると思う」
「そっ・・・
そりゃあ・・・そうだけど・・・」
コーコさんの父は、何か言いたそうに口を動かしていたけど、その口からは何一つ言えない様子だった。
当たり前だ、大切な娘を危険な目に遭わせたくない。コーコさんの父の気持ちも、痛いほど分かる。
でも、コーコさんは真剣な眼差しで、自分や家族、そして皆の事を見ていた。
その目を見ると、反論したくてもできない。自分だって、コーコさんの身を案じれば、1人で行った方が彼女の身は安全だ。
でも、そうもいかない。この大国で最も注意しなければいけない事、やってはいけない事などを教えてもらったのだから。
このスガー大国は、外での油断が命に関わる。ましてや、自分の様な異国の人間は、何かあっても対処ができない。
コーコさんは、生まれも育ちもこの国。つまり、この国での生き方を十分熟知している。
一度コーコさんに、村の外へ続く道を見せてもらったけど、白一色のみで、道が一体何処にあるのかさえわからなかった。
コーコさんはもう行き来に慣れている様子だったけど、正直あの状況下を1人きりで乗り越える自信が無い。
どんなに食料などを常備していても、突然の事態にちゃんと対処できなければ、何を準備しても無駄という事。
なら、危険性や対処を十分に熟知している人と共に行動した方が、多少常備した物が心許無くても、気持ち的に安心できる。
この場所に流れ着き、自分の事を一番気にかけ、一番側にいてくれたコーコさんなら、自分を無事城まで送り届けられる。
それは、自分以外の人も同じ考えだった。それを否定したとしても、他に案はない。
コーコさんの両親は、重い腰を上げて、2人の準備に取り掛かる。
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