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第二章 コーコ視点 騒ぎの訪れ
市場はいつも人で賑わっている、この村に住んでいない人もお店を出したり、時々珍しい物を売っている人もいる。
異国のアクセサリーや、異国の文字で書かれた本など。そうゆうお店を出している人は、大抵旅人さん。
荷物減らしに市場を利用する人もいれば、国を往復して売ってくれる人も。
私は異国文化についてはあまり興味はないけど、そうゆう物はやっぱり興味をそそられてしまう。でもやっぱり買わない。
興味は持つけど、私なんかが持ってしまうと、ただの意味の無いガラクタと化してしまう気がする。
市場で私と母が買い求めるのは、酒場の料理に使われる材料。野菜・魚・肉・調味料など。
酒場を経営する上で、最も大変な仕事は、料理の材料調達かもしれない。買う種類も数も、一般の家の数倍は必要だ。
特に調味料は、使う頻度が多いからすぐ無くなってしまう。量もかなり多いから、背負って帰らなくちゃいけない。
酒場の御近所さんと遭遇した時は、多い荷物を一緒に持ってくれるけど、今日は見かけていない。
いつもよく遭遇するんだけど、まぁこんな時もごく稀にある。私は荷物を布で包み、力んで背中に背負う。
市場の行き来をした夜は、大抵肩こりがひどい。それにしっかり力を込めないと、腰や足が変な角度に曲がってしまう。
それが原因で、私は何度も病院送りになった。幸いちゃんと治ったからいいけど。
あの酒場は、村ができた頃からある、いわゆる老舗。お父さんはその跡取りで、お母さんはそこで昔から働いていた従業員だった。
お母さんは昔、重い荷物を持ったせいで腰を悪くしてしまう。でもその時お父さんは、仕事の休憩時間を削って、お母さんを看病していたそう。
今でもその後遺症が残って、重い物が持てないお母さん。私を引き取る前は、お父さんと一緒に買い出しに行っていた。
だけど、私が仕事を手伝うようになってから、「助かるよ!」と、2人からよく言われる。
お母さんは主に肉や魚・私は野菜や調味料を担ぐ。買うお店は決まってはいないけど、一通り市場を回ってから買うようにしている。
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