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「辰さんってなんの仕事してるんですか?」 学校に着いてもこんなにスマホを触っているのは、初めてだと思う。いつもは友達と昨日のドラマとかゲームの話をしていた。 「サラリーマンだよ、学校ついたんだろ?」 「お、なんとなくそうだと思ってた。うん、着いたよ」 心の中でよっしゃとガッツポーズをし、顔には笑みが浮かんだ。 「何笑ってんの?」 それを見てたらしい友達が肩を叩いてきた。 「うわっ、びっくりしたー。好きな人ができてさ、LINEしてたとこ」 「お、まじ?どんな人?」 コロコロ好きな人が変わる俺の話を毎回飽きることなく聞いてくれるのはほんとにありがたいと思う。良い友達を持ったものだ。 「大人の人。見た目も声も名前も」 「いいじゃん、上手くいくといいな」 笑顔で言ってくれた。応援されるって幸せな事だ。 ほっこりした気持ちで授業を受け、帰り道辰さんにLINEを送ってみる。 「学校終わりました、今仕事中ですか?」 送ると直ぐに既読がつき、驚いた。 「もうすぐ終わる。多分電車一緒かもね」 送られてきたLINEに胸がドキッとする。会って1日も経ってないのに、だんだん好きになっていく気がして、少し怖くなる。あと、20分で来る電車が待ち遠しかった。
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