一緒のお墓に入りますので、よろしくお願いします。 By 忠道

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 コシの強い手打ち麺を、短いモノまで全て口の中におさめたところでスマホが震えた。  短い振動が何かの曲に合わせてリズムを刻む。着信はこれで八度目だ。 「いいカゲン出てアゲタラ?」 「そうですねぇー。放置プレイも飽きましたし」  と、言いつつ残ったツユを悠然と飲む。  海老の尻尾は当然残した。これは可食部ではない。 「ソレ捨ててくるカラ出なヨ?」  手を差し出し立ち上がった彼に、プラスチックの器と割り箸を渡して感謝を告げた。  半分になったソフトクリームを右手に持ったまま小走りで駆けるアインスくんを、そこかしこの男性が複数目で追い、集団で居たモノ達に至っては一気に沸き上がる。  あの子が男だと知った時、彼らはどういった反応をしめすのやら。通りすがりにこっそりと教えて反応を楽しみたい気もあるが、それよりも、そろそろ面白いことになっていそうな電話の向こう側の方が興味を引かれる。 「はぁーい。どうしましたか嫁」 《残念でした。タカお兄さんだよー》  陽気な声。引き続きRibbon。ただし、今回はテレビ電話ではなく通話機能のみ。  先ほどまで顔が写っていた部分には、Ribbonの特徴である企業広告。広告を依頼した企業の名と、Ribbonを開発したSix Sense's(シックスセンスズ)の専属イラストレーター達が描いた、その企業に関連する美麗なイラストと共に映し出されている。  今は海苔を扱う小さな会社の広告で、表示されているのは海苔を擬人化した美少年達がきゃっきゃしているイラスト。  広告は五分置きに変わるが、利用者が圧倒的に若い女性である所為か。  ここ最近は女性向けのあざといイラストが増えているので、どうせまた美少年かイケメンと顔を合わせることになるだろう。
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