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僕は部屋について直ぐに話しかけた。
「ねぇ、シュナル。色々聞きたいことがあるんだけど、今大丈夫?」
「あぁ、時間が許す限りはいいぞ」
時間が許す限り?もしかして、何か用事があるのかな?
それなら、早くアレだけでも聞かないとっ。
「あのね…僕って、魔法使えるかどうかって分かる?」
「魔法か?悪いが知らん。」
「え、なんで。シュナル使えてるじゃん!!」
「俺様が使えるのは当たり前だろ?魔族は生まれた瞬間から使えるものだからな。」
何それずるい!!と思わずにはいられない。
だって、そうじゃん。僕は突然見知らぬ土地に来て家に帰れないと突きつけられ、それでもポジティブになれそうな部分を少しでも探そうとして頑張ってるのに、ことごとく……ん?待って。
「ねぇ、今魔族って言った?」
「最初から言ってるだろ?俺様は魔王だと。」
「魔族ってことは、ほかの種族がいるんだよね?」
「…あぁ。エルフ族にドワーフ族、様々な獣人族に人族もな。」
エルフにドワーフに獣人、そして何より…
「人族!?ねぇ、人族って、どこに住んでるの!!」
「おい、陸。人族のことを聞いてどうするつもりだ?」
「ど、どうするつもりって?えっと…」
本音を言えば、人族が住んでる場所を見てみたい。
だって、もしかしたら僕と同じ人が居るかもしれないから…。
だけど、今この事だけは言ってはいけないと僕の危険察知センサーがビンビン反応している。
そして、このセンサーが反応して外れた試しはそんなにない。
「その…そう。魔法!!人族なら魔法のこと聞けると思って!!」
これも嘘ではない。魔法使いたいのは本当だし。
だって、どうせ転移してきたら魔法使いたいでしょ!!
努力して使えるものになるようなら努力してでも使いたいでしょ!!
「陸はそんなに魔法を使いたいのか?」
「うん!!使いたい!!」
「分かった、検討しよう。」
やった!!検討らしいけど、魔法使えるかもしれないと思うとテンション上がる。
あと、危機回避したと僕のセンサーが言ってるからもう大丈夫だ。
「それはそうと、もうそろそろじゃないか?」
「ん?もうそろそろってなに?仕事の時間とか?」
「いや、今日は休みにした。する事があるからなぁ。ところで、陸。暑くないか?」
「休み?…確かに、ご飯食べた後くらいから暖かかった気はするけど…んっ!?!?」
先程までのポカポカ程よい温かさから急変して、体が急に暑くなった。
なんで、何が起こってるの!?
服が擦れるだけでビリビリするし…
「やっとか、思ったより遅かったな。」
「シュナル…なに、したの…」
「ちょっとお仕置きとして薬を…な。」
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