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(僕はバケモノじゃない!)
そう言ったつもりだったが、口から出た言葉は唸り声のようなものだった。
「キャー!」
辺りにいた人々が、蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ惑う。
(どうなってるんだ?)
視線を落とし、自分の姿を改めて確認する。
ぬらぬらと光る肌。尖った爪。太い足。
そして、背中には翼竜のような翼──。
(なんだ、これ?)
いつもと違う姿に震えが走る。
僕は、確かに人間だったはずだ。
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