3 ココと友達

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 遅い。  あれからというか、うちにきてから毎日、ココの帰りが遅い。夜中に出歩くなんて、なにを考えているのかしら。  今日こそはお説教しないといけない。私は眠い目をこすりながら、ペットボトルのコーヒーを一気に飲み干して、空の容器をゴミ箱に捨てた。  ココが帰ってくるまで起きているつもりだ。  そのとき、外から、コンッコンッという、こけしが床を飛びはねて移動しているような音が聞こえてきた。ニャーニャーという猫の鳴き声も微かに聞こえる。  ココだ!  カラカラと私の部屋の窓が開いた。ロックをかけていても、ココには関係ないらしい。すごい能力だ。  ぴょこんとココが姿を現した。かぶっている青いウィッグが少しほつれている。 「ちょっと、ココ!」  私は急いで電気をつけた。そして、ココの正面に立った。ココの動きが止まった。私を見て、目を見開いた。 「オーマイゴッド!」  ものすごく表情豊かに驚いている。改めて見るとちょっと怖い。 「まったく、毎日毎日どこにでかけてるの……えっ?」  言い終わらないうちに、ココの後ろから、ひょいともう一体こけしが顔をのぞかせた。
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