4 カリフォルニアガールズ

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 そのとき、誰かのスマホが鳴った。  同時に音楽も止まった。急に水を打ったように部屋が静まり返った。誰も喋らない。  私は自分のスマホを確認した。私のじゃない。  え、この子たち、スマホ持ってるの? ココも持ってるの? どうやって契約したの? 家族割? お父さんやお母さんもこけしなの?  こけしたちは無言のまま、全員ブルルルと震えている。振動しているようだ。スマホと一体型なのだろうか。  パカッと頭を外すと、ココは中からスマホをだした。他のこけしたちも同様だ。 「デイリーセレブニュースだわ!」  ココの声に他のこけしたちがきゃあっと声をあげる。 「え? なに……?」 「オウ! ナオミったら! カリフォルニアのゴシップ情報を誰よりも早く伝えてくれるのよ!」  ココを始め、カリフォルニアガールなら知ってて当然らしいのだけど、残念ながら私はまったく知らない。  みんなスマホの画面を食い入るように見ている。 「オーウ! 『モデルのジェニファーと、歌手のデイヴィッド、スシバーでデート!』写真もついてるわ、ワオ!」  読みあげるココに、他のこけしたちが口々に喋りだす。
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