1 ココはカリフォルニアガール

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 そう思いながら家に帰り、自分の部屋の勉強机の上に置いたら、急に喋りだして、ウインクした。 「ハーイ! 聞いてる? ココよ! ワーオ! 私がかわいいから、見とれているのかしら?」  気のせいじゃない。このこけし、本当に喋ってる! 「お、オバケ……!」  オバケがでた! 「オウ! 失礼しちゃうわ。モンスター呼ばわりなんて! アイム、ココ!」 「え? オバケじゃないの? え? じゃあ、あなたは誰……?」  驚きすぎて、うまく言葉にならない。 「オーウ? ココよ!」 「でも、あなた、こけし……」 「ノー! ノー! ノーウェイ! ココよ!」  くるくると変わる豊かな表情、流暢な英語の発音。でも、なぜかこけし。 「えっと、ココ? あなたって一体……」 「私はカリフォルニアガールよ」  自信たっぷりの口調だ。  よく分からなかったので、カリフォルニアガールをスマホで検索してみた。雲一つない空に、青い海。パームツリーの下や、サーフボードの横で微笑む、おしゃれな女の子たちの写真がたくさんでてきた。
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