2 不思議なココ

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「ココ!?」  庭に落ちてバラバラになったココの映像が脳裏によぎる。派手に割れているのに、あのテンションで叫び続けるココ。割れたこけしってどうやって修理するのだろう。多分一秒ぐらいのあいだにいろんなことを考えてしまった。窓に駆けよって外を見る。  ココは無事なの? 心配だわ。 「ハーイ!」  ココはこっちに向かって手を振っていた。青い髪の毛は風になびいている。ビキニとミニスカートからのぞく木肌。そして、背中には天使のような純白の羽。パタパタと動いている。 「嘘でしょう……手、ないはずよね? おまけに羽まで……」  小声で呟いた。  目をこすって、もう一度見たら、こけしの姿だった。手も羽もない。 「……どういうこと?」 「私がエンジェルみたいだからって、そんなに見つめなくていいのよ?」  ダメだ、会話がかみあわない。  ココは飛んでいるようにフワフワと降りていた。まるで背中に、見えない羽が生えているみたいだ。  窓から顔をだした私に向かって、唇をすぼめて、チュッと音を立てた。キスのつもりらしい。
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