2 不思議なココ

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「遅くならないうちに帰るから! シーユー!」 「ココ、どこにいくの……?」  私の言葉は、ニャーニャーという声にかき消された。  うちの庭に、たくさんの猫たちが集まってきていた。白い猫や黒い猫や茶色い猫。三毛猫やアメショーもいる。夕焼けに照らされて、かすかにオレンジがかって見える。  どこからこんなに猫が集まってきたのだろう。  猫たちは、すっくと二本足で立つと、前足で落ちてきたココを受け止めた。そして、そのままの姿勢で全員ですごい速さで移動していった。ココは猫にかつがれた、こけしみこしといった感じだ。  私は声もなく、ただその様子をポカンと眺めていた。  ココと猫がいなくなった庭は、ガランとして見えた。 「……こけしって不思議。ううん、ココが不思議なのかな」  なんともいえない気持ちになって、独り言を呟いた。  その日の夜、いつまで待ってもココは帰ってこなかった。 「ココ、遅いなあ……」  少し考えた。あ、もしかして。 「……夢だった、とか?」  きっとそうだ。
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