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女王
マシュマロ大陸にあるロール国。そこはお菓子を愛する平和な(だと思いたい)国で
あった。そんな国に一人の女王がいた。「女王!何、人の仕事増やしてん
ですか!?早く書類と向き合ってください!」バルコニーで女王を止めているのは
深い海の色をした髪を結びスーツを皺一つなく身に纏った執事のグレイス。
女王が信頼している家臣の一人だ。
しかし…優秀な男なので女王の仕事が全て彼に押し付けられている。
必死に止めているのだが、逃げられてしまう。今回もそうだろう。
逃げ足が異様に早いのだから。
その苦労人の言葉も聞かずに街へ行こうとしているのが女王の
アリーア・シャノン・ロール。国民第一と思っているが仕事は
全て部下へ押し付ける。これで本当に王が務まっているのかと思うほどだ。
「良いじゃない、んじゃ後宜しく」笑顔で告げ、アリーアは
バルコニーから飛んだ。「はぁ!?ちょっ…」
グレイスは驚く。これがアホのやることなのかと…。
もう凄すぎて何も言えない。急いで下を見てみると、
数人の騎士が受け止めていた。(あのアホ女王、
ここまで見越してたな…)つまり、アリーアはグレイスが自分を止められないと
確信していたから飛び降りれたのだ。この地上から何メートルもある建物から。
ひとまず怪我がなくて安心した。「サーナイト、ルイ、追いかけて…」
見ると、アリーアは既にいなくなっていた。グレイスは肩をわなわなと
震えてさせ…大声で叫んだ。「あんの…アホ女王ー!!」
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