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☆☆☆
「助けてください!」
そう叫んだ私は目を開けて、勢いよく机から身を起こした。
周囲を見渡すとクラス中の視線が私の方に集まっていた。
少し間を置いて先生が「授業続けるぞー」と言って、何事もなかったかのように続きの文字を黒板に記入していく。
クラスメイトはしばらくの間、こちらをチラチラ見てはクスクス笑っていた。
存在しない危機から脱することはできたが、そのせいで別の危機を生んでしまった。
私は心の中で「助けてください!」と叫んでみたが、今度は夢から醒めることはできなかった。
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