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君に見せたい世界
「ねぇ君、騙されたと思って、一つこれを目にはめてご覧よ。
これは僕のとっておきなんだ。雪吹きすさぶ中死んだ女の眼球だから、キラキラ舞い散る一面の雪が見えるだろう」
マナカはそっと、少女の眼窩に目玉をはめ込んだ。すると目がぎょろぎょろと四方八方へと動き回る。
「まぁ綺麗。雪が光を反射して、白い光の粒が舞っているみたい。
でも雪って案外怖いものなのね。吹き込む雪が目に飛び込んでくるようで、とてもじゃないけど目を開けてなんかいられないわ」
少女はカタカタと全身を震わせながら、声を上げて喜んでいる。そんな姿も可愛らしい。気分をよくしたマナカは、次々とお気に入りの眼球を取り出しては少女の眼窩にはめていった。
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