間の巫女

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「誰か、そこにいるの?」  少女が怯えた声で尋ねた。身を隠してもいないのにこちらの様子がわからないことから、目は見えていないようだ。あんな布、とってしまえばいいのにと思いながら、マナカはおずおずと答えた。 「驚かせたならごめん、僕マナカっていうんだ」  少女は誰かの声が聞こえたことにとても驚いた様子で、びくりと体を震わせていた。 「マナカ? あなたはどうしてここにいるの?  もしかして……人じゃないの?」  その言葉を鼻で笑うようにして答えた。 「馬鹿言わないでくれよ、僕のどこが人だっていうのさ。僕は人じゃない、バケモノさ。たまたま抜け穴があったから、何があるのか気になっただけさ」  マナカは馴れ馴れしい態度で縁側に上がると、少女に向かい合うようにして座り込んだ。すると少女はしばらく黙り込んでいたかと思うと、首をかたりと傾けて言った。 「そう、じゃあ結界もついに無くなるのね。私の役目ももう終わり」
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