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テンパりながらグルグル考えているうちに、何故か俺は拓郎と『そういうコト』をしてしまっていた。
何がショックって、拓郎が妙に慣れていたこと。
俺はバージンの女の子みたいに(実際、バージンで童貞なんだけど)「痛い痛い」と喚いて、身体をずり上げて逃げる必要もなかった。ショックだったけれど、むしろ必死で拓郎に協力していた。
何故って、こんな夢みたいなこと……もう二度と起こらないかもって思ったから。
喚きゃしなかったけど、でもやっぱり、本物を挿入された時の衝撃はキツかった。それでも俺は逃げ出さず、拓郎にしがみついた。拓郎の真意がどうなのかなんて、どうでもよかった。いや、逆に、朝起きたら忘れていて欲しかった。目が覚めた時、酔ってない拓郎に「好きだよ」と抱きしめられる。……そんなハッピーエンド望んでない。望んでないなんて嘘だろって、もうひとりの自分が言うけど、それは無視した。
拓郎は勝手に俺の中に吐き出すと、漫画みたいに崩れ落ちて眠ってしまった。
すごくホッとした。
そして、意識のない拓郎を思う存分抱きしめた。
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