殿さまのきんたまは狸のきんたま

　日本が２５０もの藩に分かれていた頃、或る城にとても好色な殿さまが住んでいました。
　そのスケベの度合いは半端ではなく、また美意識が低いですから若けりゃいいと言うので国中の若い女子(おなご)と目合ひ(まぐわい)たいと思っていました。
　但、殿さまは実際にまぐわうと、そのたびに懸念することがありました。
　自分の睾丸が並外れて大きくて当然、陰嚢も大きくて見っともないので女子に馬鹿にされるのではないかとまぐわっている最中いつもやきもきしていたのです。
　にも拘らず殿さまは権威に物を言わせ、若い女子を家来に召し取らせてはまぐわっていましたが、自分のふぐりを見て笑った女子は処刑し、笑わなかった女子は条件付きで帰してやりました。
　余のふぐりについて絶対、口外してはならない。それが条件で喋ったが最後、命はないと思えと警告し、緘口令を言い渡していたのです。