殿さまのきんたまは狸のきんたま

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 ですから帰された女子は絶対、殿様のふぐりについて人に喋りませんでしたが、喋るのを我慢すればする程、お腹が膨れて行きました。  それに気づくと、女子は悉く妊娠したと錯覚して産屋に行くのですが、産婆がこれは妊娠じゃないと言うので医師に診てもらうと、医師がこれは秘密を喋るのを我慢すると、腹が膨れてしまう病気だと診断し、喋らないままでいると、腹が膨れ続けて挙句の果てに破裂して死んでしまうだろうと言うので人に喋ったら死刑になってしまうと訴えると、医師がそれなら独りで山奥へ行って思いっきり叫ぶがよいと言うので皆そのようにしました。  で、中には山賊に凌辱される女子もいましたが、その頃、既に「狸の金玉八畳敷き」という慣用句がありましたから女子は皆こう叫んでいました。
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