殿さまのきんたまは狸のきんたま

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「殿さまのきんたまは狸のきんたま!」  この言葉が複数の女子によって毎日のように叫ばれ、山彦となって木霊して山や谷だけでなく城下町にも反響して遂には城にまで反響するようになりました。  それだからもう殿さまはかんかんになって激怒しました。その一方で顔から火が出る位、恥ずかしくなり、怒りと恥が入り混じって顔を真っ赤っかにしながら乱心を起こしました。  さあ、そうなると、もう大変なことになり、余とまぐわったことのある女子たちがみんなしてふざけて叫んでおるのじゃと殿さまは勘繰ってしまった為に若い女子を片っ端から家来にひっ捕らえさせ、市中引き回しの上、磔獄門の刑に処しました。  その結果、城下町の若い女子が払底して女と言えば、子供か婆さんしかいなくなったので殿さまは欲求不満が募って奥女中や上女中や下女中に性欲の捌け口を見出しました。  けれども殿さまは被害妄想が高じて彼女らにも笑われていると思い込み、乱心がエスカレートして発狂した弾みに彼女らを自分の刀で次々に切り殺し、その儘、狂い死にしてしまいました。
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