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漆黒の闇でも、僕はまだ太陽の中心に向かって進み続けている。先に内側に到着しているはずの人の光はどうなったのか。僕はくるりと360度見回してみたが、それらしいモノは見つからなかった。
いや、目の前に白い点のようなものが見えた。僕は、何故だかわからないが無性にその白い点の場所まで行きたくてしょうがなかった。
身体は自然とその白い点を目指して進んでいる。すると、白い点は、段々と大きく見えてきて、白さも輝くように発光していた。まるで、閉じ込められた真っ暗な洞窟の中で、出口を見つけた気分だった。
きっと、あの光にたどり着けば、新しい何かが待ってるような気がした。もしかしたら、あの光が天国への入口なのかもしれない。
あれ?ちょっと待て。もしあれが天国の入口だとしたら、そしてそれを僕がくぐり抜けたら、僕は死んだことになってしまうのか。そうしたら、この素晴らしい体験を友人にも誰にも話すことが出来ないじゃないか。
僕は『死』というものを今、間近に感じた。そして、まだ死にたくないと心から思った。
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