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天国だの地獄だの、きっと昔の人たちが自分たちを救うために作り上げた適当な逸話なのだろうと、かつて友人は言った。
だが、僕は反対の意見だった。一言で人間といっても、様々な人間がいる。見た目の話じゃない、中身の話だ。犯罪者はどうして犯罪者になるのか。変な話、普通に生きていたら人を殺そうとは思わないし、物を盗もうとも、女湯を盗撮しようとも思わない。僕は、彼らはいわゆる欠陥品のようなものなのだろうと考えている。
どんなに有名なメーカーだって、時には不良品を販売してしまう。これはしょうがないことだ。それの人間版が犯罪者なのだ。物じゃないから取り替えることもできないし、廃棄や修理もできない。だから、これもしょうがないことだ。
僕が許せないのは、犯罪者と同じ年齢まで生きて死んだ場合、その後に優劣が付かないことだ。僕は真面目に生きてきた。多分、これからも真面目に生きていくだろう。物も盗まないし、人を殺めたりもしないつもりだ。だから、僕が今日逮捕された犯罪者と同じ日に同じ年齢で死んだ時は、どうかその後に優劣を付けて欲しい。
僕は、それこそが『天国』と『地獄』であって、それは存在していると信じている。
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