死後の世界研究倶楽部

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太陽の内側には何があるのか。 僕は天国のような素晴らしい世界を夢見ていた。 だが、内側に入った途端、さっきまで見ていた神々しい光の世界から、闇に包まれた漆黒の世界へと成り変わった。 はたまた、ここが地獄なのか。僕は急に恐くなった。 そう言えば、地球にいる僕はいつになったら意識を取り戻すのだろう。失神なのだから、少し経てば大半は目が覚めるのではないか。早く目を覚まして、今見てきた光景を友人に教えてやらなければならない。これは、『死後の世界研究倶楽部』としては、大収穫である。 ただ、目を覚ました瞬間、今見てきた記憶が一切無くなるなんて事はないだろうか。そうでもなきゃ、今僕が見てきた光景は、何人もの人が見たことがあるはずで、もっと死後の世界に対する考えが、ハッキリとしているはずではないかと考えた。 漆黒の闇。僕は光の有り難さを思い知った。どうして光があるだけであんなに安心できるのか、どうして光があるだけで、あんなに暖かさを感じるのか。 今は感覚がないはずなのに、恐怖に加え寒さも感じてきた。きっと、気温的な寒さではなく、恐怖心からくる、内面での冷えなんだと僕は思った。
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