死後の世界研究倶楽部

20/27
前へ
/27ページ
次へ
「ここが太陽の中心…なのか。」 そこには、僕が期待していた天国のような世界はなかった。何も無かったのかと聞かれたら、そうではない。 360度白い光に包まれた世界の中で、僕の目の前には、まるで地球にある食品加工工場のような大きな建物が現れた。 ふと、建物の入口を見ると、宇宙空間で見た人の形をしたオレンジ色の光が、行列を作っていた。 僕は頭の中では、この光景を何かで見たことがあるような気がしていた。 「…あ!」 閻魔だ。僕はそう思った。死人は天国行きなのか地獄行きなのか、その判断を下す役目である閻魔がいる建物なのだと思った。 僕は自分の意志ではなく、その列の一番後ろに並んだ。 まだ、僕は自分が死んでしまったことを到底受け入れられないでいた。だが、もしこれが閻魔の裁きを下す列なのであれば、僕は天国になるだろうと思った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加