19人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇマイカ、僕の一生のお願い聞いてくれるよね。」
「こんなスチュエーションで告白とか、ほんとありえないんだけど...
もう色々ダメダメじゃん。
私の夢見た告られ方の成分は何一つないし...
しょうがないからここでコクるですって?
もうほんとに、ばかシンジ...」
私はそう言いながら熱い物がこみ上げて来てシンジの顔をまともに見れなくなった。
「僕の一生のお願い、まだ言ってないんだけど聞きたい?」
「...一応聞いとく。」
「僕がマイカのお嫁さんになるから君は僕の恋人のままでいて欲しい。」
「何それ意味分かんないし。」
「近い将来だけど...
僕は残念ながら子供産めないからその分、君と子供の面倒みたいと思うんだ。色々な夫婦の形を見てきたけど、女性は家事、仕事、出産、子育て、家事そして一から始める職場。
これって何かの人生罰ゲーム?
って思っちゃうよ。
もちろん子供の愛らしさや成長の喜びはあるだろうけどそれは男だって沢山感じられる。だからマイカには出産や育児のために仕事を辞めたり色んな事諦めて欲しくないって思うんだ。だから家事でも育児でも君のお嫁さんみたいに僕がやる。もちろん仕事をやりながらだから全部って訳にはいかないけど。どう?」
「美しいお話ありがとう。
シンジの話はよく分かんないけど結局何、お嫁さんになるのはあなたなの?
ウェディングドレスを着たい訳?
もう帰る!
ヤダ、こんなややこしい話。
もう熱出そう。
どうしてもっとシンプルに結婚してって言えないの?
バカみたい。」
「だから僕はマイカのこと愛してるし大事にして行きたいって言ってる訳じゃん。分かんないかなぁ...
だから...結婚して下さい。」
僕たち橋の真ん中での会話は叫ぶ事こそないもののかなり声は大きくなっていた。
いつの間にか小さな橋はかなりの人が渡るでもなくたむろしていた。
「シンちゃん、私達の話ずっと聞かれてたみたいだけど...大丈夫かな。」
私が囁くと、
「そんな事より、マイカの返事はどうなの?」
そんなの聞かなくても分かってるでしょう、と思いつつ...
そして私は叫んだ。
「ダメな理由なんて一つも見当たらない!
OKに決まってる...
シンちゃん、
これからももっと愛してね!」
“ウォ〜"
橋の上にたむろした人達が声を上げ、そしでおめでとゔと皆から握手を求められた。
私達は訳も分からず
゙ありがとゔ
と頭を下げて応えた。
そして皆それぞれ橋の左右に分かれて川岸の方へ渡って行った。
私はノーメイク、ジャージ姿、髪ボサボサで、しかも多くの人達の前でプロポーズされるなんて夢にも思わなかったのだけれども、人生で一番素晴らしくいつまでも忘れえない川岸の出来事をくれて、いつも心の中で叫び続けているの...
「シンちゃんいつでも愛してる!」って
おわり
最初のコメントを投稿しよう!