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新入部員勧誘
「栗本さんオカ研なんだって?」
同じクラスの真弓由美から突然声を掛けられた。
まだクラス全員の名前は覚えていないが、真弓由美の名前は中々インパクトがあり1番初めに覚えた。親の顔が見てみたい。
「オカ研?」
「オカルト研究部なんでしょ」
「ああ、略してオカ研か。なるほど」
世間からそんな風に呼ばれているとは知らなかった。
「以前は前世とかオーラとか視てくれてたみたいなんだけど、今は視る人がいなくなっちゃったらしいじゃん。新入部員で視られる人入ってないの?」
「いないよ」
「え〜、そうなんだ。ガッカリ」
そう言うからには何か悩みでもあるのかとチラッと霊視してみた。すると真弓由美の前世がゆらゆらと現れた。ピンクのチマチョゴリを着ていた。
「韓国……」
「え?」
「う、ううん。あのね、昨日体験入部した子がいてね、その子が前世視られるみたい。連絡取ってみる?」
「え、お願い!」
そしてお昼休みに真弓由美をオカ研の部室に招待した。お昼休みだったら部長はいないから使いたい放題だ。
「私は行けないけど、その子は来てくれるから」とか言い、先に部室へ行き暗幕で真っ暗な部屋にロウソクを一本だけ灯し、それっぽい黒いベールを被り黒いレースのショールを羽織り、真弓由美を待った。
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