新入部員勧誘

1/5
前へ
/574ページ
次へ

新入部員勧誘

「栗本さんオカ研なんだって?」  同じクラスの真弓(まゆみ)由美(ゆみ)から突然声を掛けられた。  まだクラス全員の名前は覚えていないが、真弓由美の名前は中々インパクトがあり1番初めに覚えた。親の顔が見てみたい。 「オカ研?」 「オカルト研究部なんでしょ」 「ああ、略してオカ研か。なるほど」  世間からそんな風に呼ばれているとは知らなかった。 「以前は前世とかオーラとか視てくれてたみたいなんだけど、今は視る人がいなくなっちゃったらしいじゃん。新入部員で視られる人入ってないの?」 「いないよ」 「え〜、そうなんだ。ガッカリ」  そう言うからには何か悩みでもあるのかとチラッと霊視してみた。すると真弓由美の前世がゆらゆらと現れた。ピンクのチマチョゴリを着ていた。 「韓国……」 「え?」 「う、ううん。あのね、昨日体験入部した子がいてね、その子が前世視られるみたい。連絡取ってみる?」 「え、お願い!」  そしてお昼休みに真弓由美をオカ研の部室に招待した。お昼休みだったら部長はいないから使いたい放題だ。  「私は行けないけど、その子は来てくれるから」とか言い、先に部室へ行き暗幕で真っ暗な部屋にロウソクを一本だけ灯し、それっぽい黒いベールを被り黒いレースのショールを羽織り、真弓由美を待った。
/574ページ

最初のコメントを投稿しよう!

305人が本棚に入れています
本棚に追加